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医学生・研修医の方へ

研修について

入局後は福岡市内の基幹病院を中心とした関連病院で、後期研修を行います。
新内科専門医制度では、2年間の初期研修後、3年間の内科専門研修(後期研修)を行い、まず基本領域としての内科専門医を取得します。内科専門医取得には内科全般にわたる幅広い診療経験が必要となりますが、九州大学第二内科では糖尿病・内分泌疾患に加えて、腎疾患、高血圧・心疾患、脳血管疾患、消化器疾患の分野も担っており、大学病院、関連病院では垣根を越えて密に連携しており、幅広い疾患を経験し、全身管理を習得することが可能です。
さらに、内科専攻医研修と並行して専門領域の研鑽を積み糖尿病専門医の取得も目指します。後期研修期間を通して継続的に糖尿病の入院・外来診療に従事し、指導医のもとで糖尿病治療、全身合併症の管理について十分な経験を積むことができます。糖尿病専門医を取得するためには臨床経験に加え、2編以上の学会発表もしくは論文発表が必要ですが、これらも専攻医研修中に経験することができます。

キャリアプラン

内科専攻医研修が終了した後は、引き続き関連病院で更なる臨床経験を積み、糖尿病専門医取得を目指します。当研究室は福岡県内に多数の学会認定教育施設を有しており、指導医のもとで豊富な症例経験を積むことが可能なため、多くの研究室員が卒後7年目に専門医を取得しています。
また、我々は大規模コホート研究である福岡糖尿病患者データベース研究(Fukuoka Diabetes Registry: FDR)を行っており、大学院に入学し学位取得を目指すことも可能です。これまで糖尿病や合併症に関して多くの新知見を見出し、国内外の学会で発表し、論文として情報発信を行っています。診療と研究を並行して継続し、糖尿病専門医と学位を同時に取得可能です。
当研究室には出産や育児を行いながら勤務している女性医師が多数所属していることが特徴で、多様な働き方を通して女性医師の活躍をサポートする環境、体制が整っています。出産後に休職の後、常勤として勤務している先生や、週に数回非常勤として働いている先生もおり、ライフスタイルにあわせフレキシブルな働き方ができるのも魅力の一つです。

先輩の声

T.H.先生

入局して感じたこと

平成27年から2年間初期研修医を九州中央病院で過ごしました。内科は第2内科の先生方が多く、臨床への熱心さから2内科に入局することを決めました。
その後、白十字病院・製鉄記念八幡病院で臨床に従事しましたが、臨床の2内科という言葉の通り、糖尿病患者教育にチーム医療で取り組む先生方の姿勢についていく事でとても充実した臨床経験を積むことができました。
平成31年より大学院に入学し疫学研究にも関わるようになりました。日常診療の積み重ねが患者さんの将来にどのような影響を与えるのかを長い目で見ることができるようになり、日々の診療の視点が変わってきたように感じます。医学部を卒業する時には私自身が研究に従事するとは思ってもいなかったので、研究室の熱心な指導医の先生方や先輩方の情熱に刺激を受ける毎日です。

糖尿病研究室に入研を決めたきっかけ

医学生の頃はジェネラリストになりたいと漠然と考えていました。
研修医になり脳卒中や心血管疾患を発症して搬送される患者さんや糖尿病性腎臓病が悪化して腎代替療法を受ける患者さんを診て、生活習慣病の早期から治療をしっかり受け、生活習慣病による後遺症で生活を制限されるようにならないことが患者さんの幸せにつながると考え、糖尿病研究室に入研することを決めました。
糖尿病治療は長い道のりですので、糖尿病とともに生活する患者さんの様々な併存疾患を考慮しながら診ていくという点ではかつて目指していたジェネラリストに近い存在なのではとも思っています。
第2内科には腎臓内科・高血圧内科・脳血管内科や消化管内科もあり糖尿病患者さんの合併症を同じ医局の先生方と協力しながら診ることができることも魅力です。

M.O.先生

私は卒後7年目に糖尿病専門医を取得、8年目に出産し、出産前に働いていた急性期病院に産後5か月半から常勤で復帰しました。現在は子供を院内保育園に預けて週5回勤務しています。週4日の外来診療に加えて糖尿病教室の講義を週1回担当し、病棟回診にも参加できることで、出産前と同様に、患者教育に携われ、最新の知識、技術を習得できています。子育ては予想外なことの連続で、子供の発熱などで急に仕事を休まなければならないこともありますが、外来を中心とした勤務シフトを組んでいただき手厚いサポートをしていただくことで、子育てと仕事を両立できています。急性期病院へ常勤で復帰することに対しては心配がありましたが、職場・医局の理解があったことが後押しとなりました。
糖尿病は全身疾患でありますが、発症、合併症ともに予防が可能な疾患です。生活習慣を改善することは難しいことですが、患者さん一人一人に合った治療法を選べることはやりがいを感じます。研修医時代に手技が苦手だった私は糖尿病代謝内科で尊敬する先生に巡り合い「言葉の処方箋」が大切だと教わったのをきっかけに糖尿病を専門とすることを決めました。また研修終了後は生まれ育った福岡で働きたいと考えていました。第2内科糖尿病研究室は福岡市内を中心に県内に関連病院が多数あり、そのいずれの施設でも糖尿病患者さんの全身の疾患を診ることができます。出産、育児で第一線を離れてもまた戻ってくることができたのは第2内科糖尿病研究室を選んだからだと思います。
当研究室では子育て中の女性医師同士で情報を交換する会があり、先輩方からアドバイスをいただき励みになるとともに、お互いに助け合うことのできる環境ができています。産休や育休中、そして育児をしながらの勤務まで一貫してサポートしていただいている職場や医局に感謝するとともに、今後も自分が目指す医療を長く続けていきたいと思っています。

T.K.先生

私はもともと予防医学や栄養学に興味があり、生活習慣病に関わる分野で働きたいと思い、糖尿病内科を選びました。当研究室に入局後、これまで聖マリア病院、九州中央病院で臨床、九州大学大学院で疫学研究に携わりました。糖尿病の診療の特徴は同じ血糖、HbA1cでも、患者さんのライフスタイルや年齢、家族や周囲のサポートなどによって治療法が何通りもあることです。また、血糖管理だけでなく、細小血管障害、大血管障害、悪性腫瘍など全身の合併症をみることが必要で、定期的な検査を行い、時には人間ドックを勧めるなどして管理することも糖尿病内科医の役目だと思います。糖尿病は代謝疾患であるとともに全身の血管病でもありますが、第二内科には脳循環、腎臓、高血圧、消化器、内分泌の研究室があり、これらの先生方に気軽に相談しやすいというのは当研究室の強みです。また、関連病院に地域の基幹病院が多いので、様々な疾患を経験できること、さらに本当に知識が豊富でとても丁寧に熱心に指導や相談にのってくださる先輩、指導医が多いことも当研究室の大きな強みだと思います。そういう恵まれた環境の中で、内科認定医、糖尿病専門医ともに順調に取得することができました。
私は現在、家庭では2児の子育てをしています。第1子出産後は九州大学病院きらめきプロジェクト(育児や介護中の女性医師を支援するシステム)を利用して、九大病院で外来勤務、現在は市中病院で週3回非常勤として外来勤務をしています。小さな子供の子育て中は、特に子供の病気の対応などを優先しないといけない場合もありますが、何かあればサポートするからと言ってくださる上司の言葉もあり、安心して勤務することができています。医師になって今年で14年目になりますが、育休を経て改めて、医師という仕事、糖尿病の診療にやりがいを感じる毎日です。
以前、ある先生が“主治医によって糖尿病患者さんの50年後の将来(合併症の進行度)が決まる”と言われていました。自分が関わった患者さんが少しでも健康長寿で過ごせるようにこれからも日々励んでいきたいと考えています。